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情報労連 明日知恵塾

明日知恵塾

平成24年12月8日(土)東京・飯田橋にある東京しごとセンター4Fにて、情報労連さんが主催する「明日知恵塾」の見学に行ってきました。大学2年~3年生と社会人とが集まり、あるテーマについていくつかのグループに分かれてディスカッションするというものです。

もともとは法政大学大学院の藤村教授が「学生たちと若手組合員の交流の場を設けたい」というあるユニオンの方の一言に応じて始めた活動に、さらに「学生たちの職業観育成のために一肌脱いでもらえないか」との教授の呼びかけに情報労連さんが応えたのがこの「明日知恵塾」なのだそうです。

このコミュニティは、学生たちが社会に出ると必ず理想とのギャップを感じるけれど、社会へ出る前にそこを埋めるべく学生さんたちに、会社に勤めることの楽しさ、やりがい、大変さ、苦労など「働く事のリアルを伝える」ため、仕事を知ってもらうため、社会人の先輩たちと対話をしようというものです。そこで、彼らと年代も近く、リクエストに応えられるのは誰かと言えば、現場の第一線で働いている組合員だ、というわけです。

この日のテーマは「失敗したらどうするの?」でした。藤村教授と跡見学園女子大の禿准教授が進行役で、まずは学生参加者26名と組合参加者14名がAからGのグループに分かれ、自己紹介など。その後社会人から自分が働くようになってからの失敗談を話し、その失敗について何が問題で、何が失敗だったのかを分析してもらいました。その話を聞いて今度は学生たちがキーワードなどをホワイトボードに書き出してその対策を考える、という作業でした。

 

ここで出てきたキーワードは「情報共有が出来ていない」「(慣れや思い込みからくる)確認不足」「周囲とコミュニケーションがとれていない」といった、私たちからすれば耳が痛いようなものでした。続いてこれらのキーワードを基に、ではどうすればこのような事態が起きないのか、をディスカッションしました。各グループの発表で出てきたのは、「周囲とよくコミュニケーションをとっていれば、忙しくても情報は共有できる」「確認の手間を省かない」というものでした。

「慣れによる確認不足」・・・これって良く聞きますね。どうすれば無くなるのか。私たちにとっても課題です。

最藤村教授からは、失敗は起こるものだが、そこから何を学のか、どんな対応をするのか、次に活かす方法を得ていくことが必要であり、その中でコミュニケーションというのは重要なファクターである、また自分の知らない自分というのがいて、普段知らない人とのコミュニケーションの場で出会えることがある、という話がありました。学生たちも就職活動を前に、社会人になる事に対する不安が少し払拭された、もっと自分から発信していきたい、自分から知ろうとしたい、などの感想が聞かれ、とても充実していたように感じました。

最後に藤村教授から、「8勝7敗の勧め」というお話がありました。

これは相撲に例えての内容でした。相撲は15番勝負があり、8勝は勝ち越しで番付が上がるか現状維持となるが、7勝だと負け越しとなり、番付が落ちてしまう。力士は勝ち越すためにその日の取組で勝った時も負けた時も、その原因をしっかりと分析をする。負けても得ることがある。それだけ学ぶことがある、ということだ。しかし今の風潮は勝てる勝負しかしない。勝てる取組が5番あれば、確かに勝ちは5つあるが、勝負をしない10番は不戦敗となる。負け越すうえに学ぶ機会も逃すことになる。勝ちの読める勝負を少ししたところでたいした成長はない、ということだ。だったら7敗しても学べるうえに8勝して勝ち越せば大きな成長が見込める、ということになる。このような話でした。

自分たちがこの話を何に置き換えて考えるかですが、いずれにせよ失敗を振り返り分析することで次に活かせる情報や知恵を自分のものにしていくか、ここが重要なことです。

最後に、「明日知恵塾」に参加させていただける機会を与えて下さった情報労連の安藤組織局長、事務局の皆様、通建連合の藤井議長にはこの場をお借りして厚く御礼を申し上げます。